○● 春告魚〜いかなご ●○

『いかなご』とは、春先に瀬戸内で捕れる小魚です。
このあたりでは、いかなご漁が解禁を迎える2月中旬になると、どこの家でも『いかなごのくぎ煮』を炊きはじめ、
町じゅうがくぎ煮の匂いでいっぱいになります。地元民にとっては、風に乗って流れてくるこの匂いが春の合図。
そんな季節の風物詩です。

魚の棚。
ひる網で揚がったばかりの、
ぴちぴち跳ねてる魚が並びます。

これが『いかなご』。
しらすより少し大きな、小魚です。
解禁から日が経つにつれ大きくなっていきます。
くぎ煮に向くのはちょうど今(3月中旬)!

<材 料>
いかなご1kgにつき
 ・醤油  200cc
 ・みりん 100cc
 ・ざらめ 200g
 ・生姜100g(ウチは大量!)
いかなごは大きな桶に張った水に入れ、やさしく、かつ手早く
かき混ぜて洗う。水を替えてきれいになるまで2-3度繰り返す。
調味料を全て大鍋に入れて沸騰させたところへ、いかなごを
少しずつ、手でぱらぱらを均等に入れる。
ここからはゼッタイさわっちゃダメ! ひたすら煮詰まるのを待つ
母は2kgずつ、2つの鍋で同時に炊きます。右の写真の鍋は、なんと昔のガス炊飯器の内釜!
鋳鉄製で厚みがあり、一番上手に炊けるのだそうです。
←これがウワサの熟練の技、必殺鍋返し!
煮詰まってきたら、これを繰り返すことによって照りが出て、
つややかに仕上がります。
でも、一番体力がいる作業!
炊き上がったらざるに上げて
手早く冷まします。
これも、かたさとツヤの秘訣!
冷え込む日はこのようにベランダ
であおぐとすぐ冷めますが、
地元のお母さんたちは、扇風機や
ドライヤーまでフル稼働させて
省力化(!?)の工夫をしています。
いかなごくぎ煮のできあがり〜。
大好きっ。母作いかなごの天ぷら
いかなごの釜揚げも
つくってみました。
これもおいちぃーのっ
しらすよりも味が濃厚です。
大根おろしにポン酢で。
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◆いかなごくぎ煮のつくりかた(母のレシピ)

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